この本は、今年9月に亡くなられたアルフォンス・デーケンさんの著書である。アルフォンス・デーケンさんは哲学者で、長く上智大学で教鞭を取り文学部人間学研究室で「死の哲学」、「死生学」、「人間学」などの講座を持ち、「死への準備教育」においては、日本における代表的な学者である。1982年に「生と死を考える会」を発足し、終末医療の改善やホスピス運動の発展などに尽力された方である。この著書は2003年1月25日の「最終講義」をまとめたものである。 デーケンさんは「死生学」を生涯の仕事としてきた。「死生学」は、死に関わりのあるテーマに対して、総合的に取り組む学問である。 『長い人生において、最大の試練は死に…