解答例 第1 設問1 1 甲が小屋の出入口扉を外側からロープできつく縛った行為に監禁罪(220条)が成立する、との主張は、監禁罪の保護法益を「移動しようと思えば移動できる自由(可能的自由)」と捉え、被害者に場所的移動の自由をはく奪されていることの認識は不要であると解するものである。これに対して、監禁罪が成立しない、との反対の立場は、監禁罪の保護法益を「現実に移動しようと思ったときに移動できる自由(現実的自由)」と捉え、被害者が場所的移動の自由をはく奪されていることの認識が必要であると解するものである。 2 この点、監禁罪の保護法益は、移動の可能性・選択肢を有することに意義があるところ、可能的自…