画像出典:筆子journal わたしが子供の頃はかなりの貧乏で、いつも「おカネがない」と母は嘆いていました。それは殆ど口癖のようでもありましたが、事実としてもおカネはなかったのです。母は体が弱く、家事ですら満足に出来ませんでした。我が家は専業農家でしたが、それだけでは食っていくことが出来ず、父は村のあらゆる日雇いの仕事をこなしていました。 わたし達三人兄弟は、いつもヒヤヒヤしながら食事をしておりましたが、それはいつも米が米びつが底をつく近くにあって、隣家から借りまいをするしかないことを子供ながらに理解していたからでした。 おカネの無さでの母の嘆きや、収入が増えない父親の苛立ちを、子供のわたしと…