カテゴリー:科学おもしろ話 はじめに みなさんは"Mother Tree hypothesis"(母の木仮説、母樹仮説)というのをご存知でしょうか。ドイツの森林学者ペーター・ヴォールレーベン(Peter Wohlleben)が書いた"The Hidden Life of Trees"という本 [1](下図)で一躍注目の的となった興味深い仮説です。簡単に言うと、森の中で成熟した樹木(母の木)が、周りの子孫の面倒をみたり、樹木同士が互いの世話をするというもので、樹木の根をつなぐ菌根菌ネットワークで栄養のやり取りをしている、とされています。 本書は、ヴォールレーベンが管理するドイツ西部の町ヒュンメル…