母という生き物と長年向き合ってきた。 わたしは母を愛しているし、母もまた私を愛している。 30をすぎたある日、 15年ほどひとりで抱えていた、 「女の子も好きな自分」を 泣きながら母にうちあけた。 返ってきたことばは、「気持ち悪い」だった。 それに続けて、「私の育て方が悪かったのか・・」とも。 そのことばはよく切れる包丁のようで、 なにかが崩れ落ちるような、爆発したいような。 めちゃくちゃにしたいような。ぶち壊したくなるような。 そんな想いが心の奥で叫びたがっていた。 でも、代わりに出てきたことばは、「ありがとう」だった。 目の前で私のこころを殺していく母に、「ありがとう」ということばが出てき…