クーデターによって政権を奪ったミャンマーの軍事政権が、これに反対する市民に容赦なく銃を向け、虐殺を繰り返している。その光景はスペインの画家、フランシスコ・デ・ゴヤ(1746~1828)の『1808年5月3日』(あるいは『1808年5月3日の銃殺』)を連想させる、忌むべきものだ。ミャンマーに平和という国際社会の声は、軍事政権には届かないのだろうか。 ゴヤの絵は、スペイン・マドリードのプラド美術館に展示されている、スペイン独立戦争当時のフランス軍による惨劇をテーマにした油彩画(268センチ×347センチ)だ。ナポレオン率いるフランス軍は1807年スペインに侵攻し、翌08年にはナポレオンの兄ジョゼフ…