『永島漫画と私』 私が最初に永島慎二さんの漫画に出会ったのは、いつだったか思い出せません。でも、古希を迎えてこうして50年も前の「漫画家残酷物語」(昭和43年発行)、「人間劇場」(昭和43年発行)などを、読み直していると、世間について何もしらなかった私は、「漫画家残酷物語」「人間劇場」などを読みながら、これから進んでいくであろう世間というものを夢見ていたのだと。 それら「漫画家残酷物語」や「人間劇場」の各篇は、コマ割りによって描かれた漫画ではあるのですが、どこか詩的であったのです。また、それらコマ割りを追っていくと、どこか映画のようでもあったのでした。 そのことに関して、「漫画家残酷物語」の解…