ミステリ、時代小説作家。1946年神戸市に生まれる。 関西大学工学部機械科を卒業後、日本スピンドル製造(株)に勤務。1992年『雨中の客』で第十四回小説推理新人賞を受賞、ミステリー作家としてデビュー。次いで『死んだ息子の定期券(他)』で第4回日本文芸大賞を受賞。 近年は時代小説に傾注、徹底した資料収集と分析に基づき物語を構築する。
浅黄斑 さん 作家。 1946年(昭和21年)、生まれ。2020年(令和2年)9月5日、死亡しているのを発見された。 訃報 浅黄斑さん 作家:東京新聞 TOKYO Web
八丈島の植物公園の蘇鉄の木と横浜市港南区の港南女学院高校の桜の木に頭蓋骨がぶら下がっていた。二つとも二十代前半の男性のもので、古い靴紐で吊るされていた。品川署に特別合同捜査本部が設置されるが、被害者の身元は不明なまま時だけが過ぎていく。遊軍となった篝俊輔警部補は羽田―八丈島便で犯人の使った偽名を特定、また、港南女学院高校が数年年前まで戸塚学園大学付属第一中学であったことを知り、ある事件を思い出す。独自捜査の末、被害者と容疑者に辿り着くが、鉄壁のアリバイ崩しと完璧な頭蓋骨を作る方法を解明しなければならないのだった――。 篝俊輔シリーズ・第1期〈まぼろし〉三部作(〈殺人水脈〉三部作)の第2作。文庫…
忙しい時期に、「あーもう!」と一瞬仕事を投げ出して、電車の中やカフェのベンチで短時間で読めるこういう短篇集って、大好き。特にこれは最初の刊行が1996年、”イヤミス”という言葉がまだなく、弱者いじめがミステリーに登場しない、自分と同世代だと感じられる時代の作品なので、当時のワクワク感を思い出しながら楽しんで読みました。 トリックは今読むと「おお!」というほどの意外性はなかったけど、読み物としてどれも面白かったですね。様々な作家さんのアンソロジーなので、ひとつひとつの感触が違っていて、高級アソートチョコのような楽しみがあります。 こういう、少し昔の(若い人から見れば大昔か)本ってなかなか見つけに…