「古本が古本を呼ぶ」(by 高橋輝次)と言われるが、「展覧会が展覧会が呼ぶ」こともある。平成28年7月から9月まで京都文化博物館で「アートと考古学 物の声、土の声を聴け」展が開催された。ここで展示された考古学者濱田耕作による昭和8年の石舞台古墳調査に同行した太田喜二郎が描いた絵巻物《石舞台古墳発掘見学絵巻》の中に、調査風景を描いている場面がある。そこに出てくるパステルのスケッチ箱が太田邸に残されていることが分かり、更に太田邸の設計者が藤井厚二だったことから、「太田喜二郎と藤井厚二ーー日本の光を追い求めた画家と建築家」展が平成31年(令和元年)に京都文化博物館と目黒区美術館で開催された。また、京…