《憲法13条は、人権の章にある規定であるが、「個人の尊重」原理は、人権保障にとっての基底的原理であるというだけでなく、日本国憲法が採用するすべての価値の基底に置かれるべきものとして理解しなければならない。平和・人権・民主主義(あるいは国民主権)が日本国憲法の3大原理だというのは、誰でも知っていることだと思うが、この3つの原理は、それぞれ別個のものというより、「個人の尊重」という同じ根っこから派生している原理としてとらえるべきである》(浦部法穂(うらべ・のりほ)『全訂 憲法学教室』(日本評論社)、p. 40) つまり、<個人の尊重>が肝(きも)だということである。このことを大前提として近代法は編…