著者:今村翔吾出版社:文藝春秋 鎌倉時代の元寇といえば歴史の授業で触れたぐらいだし 元寇関連の作品も読んだ記憶が無いので多少の不安があったが、 流石に今村翔吾は手堅く読ませてくれた。 主人公の河野六郎通有は勿論知らなかったが、 「じんかん」に通底するテーマを感じた。 令那と繁を登場させることで現代の問題にも繋げているのだろうが、 二人のその後を知りたかった。 ちょっと優等生的な主人公に何とも物足りなさを感じていたので 高麗人の繁の存在や手柄を立てることに貪欲な竹崎季長の破天荒キャラが とても良い味になっていた。 元寇は「カミカゼ」だけで凌いだのではなく、 理由はどうあれ日本を守ろうとした人たち…