原子番号1番の水素(感想文20-38)に続いて、原子番号6番の炭素についての本。炭素については、炭素文明論(感想文14-11)がとても勉強になった。炭素なくして人類の歴史はなかったし、炭素によって歴史は大きく変動したというのは紛れもない事実だ。 本書は、炭素循環についての本と言える。炭素は、地球で多様な状態で存在し、地殻、海洋、生物圏、大気圏を循環している。植物だったり、化石燃料だったり、二酸化炭素だったり、鉱物だったりする。 炭素は確かに人類の歴史を大きく動かしたけれど、実際には人類史どころか、生命の歴史そのものを形作った元素でもある。本書では、炭素文明論よりもさらにスケールの大きな物語が描…