誰かが不祥事を起こすと友人だったはずの人たちが一気に距離を取り、知らんぷりする現象があります。 特にイメージを重視する芸能人には顕著です。 そこでふと思い出したエピソードがあります。 1960年、いわゆる「サド裁判」渦中の渋澤龍彦に三島由紀夫が送ったハガキです。 誰だか分からない人は、親友が訴えられて有罪になりそうだと想像してください。 三島は渋澤に、 「今度の事件の結果、もし貴下が前科者におなりになれば、小生は前科者の友人を持つわけで、これ以上の光栄はありません」 と伝えました。 これほどウィットと皮肉に溢れた励ましの言葉はなかなかお目にかかれないでしょう。 余談ですが三島は筋金入りの名家の…