一方、これまで見聞した範囲ではフローベール の写実小説「ボヴァリー夫人(Madame Bovary,1856年発表,1857年刊行)」とトーマス・ハーディの自然主義小説「ダーバヴィル家のテス(Tess of the d'Urbervilles,1891年)」の女性への不人気が群を抜いてます。どうやら「愚かな女がその愚かさ故に自滅していく様子」を実証主義的=反形而上学的すなわち揺らぎ幅の一切を剥ぎ取られた「習性の連鎖だけで全ての説明がつく昆虫の生態観察」あるいは「(全てが明文化された)プログラムの動作確認」として描き切った辺りが嫌われる原因となった模様。 同様の指摘は「(日本では池田理代子「ベル…