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滌除

(一般)
てきじょ

抵当権のついた不動産の所有権・地上権・永小作権を取得した第三者が、抵当権者に一定の金額を支払いまたは供託して抵当権を消滅させること。
滌除を行使すると、行使した第三者は自己の評価額で抵当権を消滅させるよう抵当権者に求めることができる。抵当権者はこれを拒否できるが、その場合は1ヶ月以内に増価競売にかけることが強制される。増価競売とは、滌除権者が提示した額の1割増以上の価額で落札されなければ、抵当権者が自らその1割増の価額で買い受けなければならないというものである。更に、抵当権者は抵当権実行の前に滌除権者に対する通知を必要とする。
このような滌除制度は、本来複雑・過重な権利関係を清算することで不動産の流通を促す目的によるものであったが、

  • 増価競売制度が抵当権者にとって過大な負担となる
  • 滌除権者の意向によって値上がり状況でも即時の競売を強制される
  • 事前の通知義務によって抵当権の実行妨害が容易になる

といった問題点があり、現実社会においても、暴力団などが絡んで落札価格の上昇を妨げ、不当な低価格で抵当権を除去するという悪用が横行した。
以上のような事情から2003年の改正で滌除制度は廃止され、現在は抵当権消滅請求制度がその趣旨を引き継いでいる。主な変更点は、以下の通りである。

  • 事前通知義務を廃止
  • 増価競売でなく通常の競売を行えばよいこととなった
  • 抵当権者自身の買受義務は廃止され、落札者が現れなければ抵当権消滅請求の効果は生じないこととなった
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