この本は法政大学教授である上西充子氏が上梓した本である。不気味なタイトルで宗教関係の本と勘違いする方がいるかもしれないが、決してそういう類いのものではない。 上西先生は「呪いの言葉」について「私たちは、言葉を通じて物を考え、状況を認識し、自分の気持ちを把握する。言葉によって、私たちの思考は、行動は、縛られもするし、支えられもする。そういう中にあって、力を持つ者は、言葉によって私たちを支配しようとする。その支配しようとする言葉が「呪いの言葉」である。「呪いの言葉」は、いとも簡単に、私たちを縛ってしまう。その言葉の背後に、私たちは世間の目を感じて、あるいは迎えたくない破局を想像して、怯えてしまう。…