能登半島地震の発生から4月1日で3カ月。地震で甚大な被害を受けた石川県奥能登地方では、廃業を決める医療機関もあり、地域医療の存続が危ぶまれている。医療関係者は、過疎地として被災前から課題だった医師不足に拍車がかからないかを懸念する。(佐久間博康、城石愛麻) ◆中学校保健室を臨時診療所に 輪島市中心部から約15キロ余り東の山あいにある町野地区。3月中旬、倒壊した木造家屋が多く残る中、東陽中学校の保健室に女性が「薬をもらいに来たわ」と訪れた。地区唯一の診療所で、建物が被災した粟倉医院の臨時診療所だ。畑で採れたホウレンソウを持ってくる男性もいた。 保健室を臨時診療所にして活動をする医師の大石賢斉さん…