多くの若者が一生非正規の仕事にしかつけない現実がある。将来への不安から少子化が進むのは当りまえだ。団塊の世代の老人は、若者のことや将来の日本のことなど考慮していない。考え心配しているのは自分のことだけだ。そして、今若者の人間も、老人になれば全く同じふるまいをする。本能の奴隷である獣の生き方と変わるところもない。それが普通の人間の普通の利己的生き方だ。 ショ-ペンハウアーはくり返しいう。生れたままの個人のまなざしは、マーヤーのヴェールに曇らされている、と。この意味は二つある。1 自分の存在と重要さを盲信するいっぽう、自分以外の存在と重要さを本当には信じていないのが人間の自然状態である。2 このよ…