オウム真理教事件から多くの時間が経過した。平成7年、私は週刊現代の記者として、特別な形で参加した。今から考えてもあの事件には不可解なことが多い。これから書くことが、一部の人を激怒させるか、あるいは、私自身が国家権力に拘束されることも考えられなくもない。 週刊現代では少人数ながら、オウム真理教取材の特別チームを発足させた。編集者のk、元赤旗新聞の記者であったジャーナリスト(以下は赤旗と呼ぶ)そして記者の私である。当時は、松本サリン事件がオウムの仕業と取りざされ、証拠はなかったが、オウムの仕業と皆、噂した。 kがどのようにオウムを説得したのか定かではなかったが、オウムの荒木広報室長が取材のOKを出…