遡ること25年、まだ金正恩の父・金正日が総書記だった時代、かの北朝鮮に招かれ、国賓待遇の扱いを受けた日本人女性がいる。 それが世界を舞台に活躍していたマジシャンのプリンセス・テンコーこと、2代目引田天功である。 彼女が日本人として初めて招待されたのは、1998年4月8日から18日まで、首都・平壌で開催された「世界芸術祭」だった。 かねてから彼女の大ファンだったという金正日総書記により、天功が北京経由の高麗航空152便で平壌空港に到着したのは、4月15日だった。 芸術団団長らに出迎えられた彼女は、翌日のレセプションを経て16日と17日の両日、7000人を収容する平壌劇場でイリュージョンを披露。 …