毎年、十二ヶ月分が一枚になった大判のカレンダーをもらう。 一度も使ったことがない。 だったら、もらわなくても、と思うが、急にやめたら縁起が悪そうで、やめられない。 大学時代、鏡を落として割ってしまい、不吉なことが起きるのか、と憂鬱になって、そう話したら、「落としたら割れるのは当たり前」 と同級生の男の子が言ってくれ、心が呪縛から解き放たれた。 夜、爪を切ると親の死に目に会えない、という迷信が、昔は灯りが暗かったので爪を切るのは危険な行為であり、それをこういう言い方で諫めたのだとしたら、鏡のことは、以後はより注意して扱うように、とか、割れた鏡はさっさと捨てよ、というアドバイスだったのかもしれない…