(1897-1985)
映画監督。
1897年熊本市生まれ、東京帝国大学を卒業後1920年に松竹に入社。その後、小山内薫のキネマ研究所に移り、研究所の第一作『路上の霊魂』の脚本を執筆後、『山暮るる』(1921年)で監督デビュー。1926年にはチャップリンの弟子となりハリウッドで学び、帰国後は松竹の明朗青春映画にアメリカ仕込みのモダニズム感覚を導入して「蒲田現代劇」の立役者となる。蒲田時代の代表作に『昭和時代』(1927年・主演:鈴木伝明、柏美枝)北村小松脚本の『彼と東京』(1928年・主演:鈴木伝明、八雲恵美子)『陸の王者』(1928年・主演:鈴木伝明、八雲恵美子、田中絹代)などがある。2006年には、失われていた「モダン活劇」的作品『海浜の女王』(1927年・主演:鈴木伝明、柏美枝)が映画保存協会により復元され話題を呼んだ。
1930年に松竹を去り渡欧。帰国後は、日活、新興キネマ、大映等で活躍。戦後は、日本大学教授、国際映画祭審査など映画界の長老的存在として幅広く活躍した。
著作に『虚彦映画譜五十年』(鏡浦書房、1968年)がある。