【思考遊戯】の醍醐味は、自ら問いを立てるところにあります。 [誰に][何を][どう]問いかけるか、独自の問題提起から始めなければ、面白さや楽しさは半減します。 と言って、「存在とは何か?」「幸福とは何か?」、といった、昨今流行りの哲学的手法による問いかけは、遊戯になじみません。 アチョー! たとえば、『死神』という落語があります。もう死ぬしかない、と思っている男の前に現れた死神が、重篤の患者の生死の見分け方と、生きる可能性のある患者を快癒させる呪文を伝授します。おかげで、男は高名な医者になりましたが、死神の言いつけを破って死に瀕した患者の命を救ったがために、自らの命を縮めてしまうという噺です。…