特型駆逐艦。吹雪型(駆三五型)駆逐艦のこと。大正末期〜昭和初期にかけて登場した重武装駆逐艦。世界の駆逐艦を一気に旧式化に追い込んだ歴史的傑作駆逐艦。
なお、建造時期によって多少違いがあり、同型内でも吹雪型(I型、改I型)、綾波以降10隻の綾波型(II型)、暁以降4隻の暁型(III型)に分類することもある。
ワシントン条約で主力艦の保有比が対米6割になってしまった日本海軍(ランチェスターの法則を当てはめれば戦力比は100対36という絶望的な数字に)は、海軍作戦を根本的に見直し、ついに「漸減作戦」に至った。
その内容を一言であらわすと「航空機、水雷戦隊や潜水艦で米艦隊の戦力を削り、戦力を拮抗させてから主力艦同士の決戦を行う」ということになる。
以後、帝国海軍の軍備のほぼすべてがこの目的のために整えられていくことになった。
水雷戦隊の主力である艦隊型駆逐艦に求められた性能は、想定決戦場である内南洋まで行ける航行性能(対波性)と、敵戦艦に有効な打撃を与えられるだけの攻撃力(重雷装)ということになった。
このために建造された最初の駆逐艦シリーズが、吹雪型(特1型)である。
*1:朧からの4艦はIIA型と区別する場合もある