Hatena Blog Tags

特殊肉用鶏

(動植物)
とくしゅにくようけい

注意:この用語の定義は一般的ではありませんが、学問的に議論中の項目です。引用の際はご注意ください。

 日本で一般的に流通している鶏肉には「ブロイラー」、「廃鶏」、「銘柄鶏」、「地鶏」があり次のように定義される。



 「ブロイラー」とは一般に効率のよい品種や飼育方法で大量生産される「肉用若鶏」の総称で、現在ではそのほとんどが白色コーニッシュ♂と、白色プリマスロック種♀のF1個体であり、8週齢程度の弱齢で出荷される。「廃鶏」とは、採卵鶏、種鶏を廃用した鶏をいう。「銘柄鶏」とは「ブロイラー」を通常の飼育方法(飼料内容・出荷日齢)とは異なる工夫を加えた方法により飼育し、その内容を明らかにしたものである(日本食鳥協会、2007)。


 上術の「地鶏」という言葉は、日本農林規格で定義された商業上の言葉であり、学問的な意味での地鶏を指すものではない。日本農林規格では、「地鶏」は明治時代までに国内で成立し、又は導入され定着したシャモ、名古屋種などの「在来鶏」を親品種に持ち、素びなが在来鶏由来の血液を50%以上もつ80日間以上平飼い又は放飼いで飼育された鶏であると定義される(日本食鳥協会、2007)。


 一方、遺伝学、品種論的には、「地鶏」は2000年以上の昔から日本列島で飼育され、かつ外国からの渡来の記録がない鶏と定義され、土佐地鶏などが知られている。この地鶏は天然記念物に指定されているため、その肉を商業的に売買することはできない。また、日本農林規格の「地鶏」の説明の中で用いられている「在来鶏」という言葉の定義のあいまいで、遺伝学的、品種論的に一番近い言葉は広義の「日本鶏」という言葉である。本来、広義の「日本鶏」とは、大正時代あるいは昭和未明までにわが国で改良・固定された日本特有のニワトリ品種と定義される。


 日本農林規格にみられる「在来鶏」とは、遺伝学的、品種論的な意味での広義の「日本鶏」に、明治時代までに日本に導入され定着したロードアイランドレッドなどの外国鶏も加えたものである。そのため、日本農林規格で定義される「地鶏」は、遺伝学、品種論的には、広義の日本鶏、又は明治時代までに日本に導入され定着したロードアイランドレッドなどの外国鶏由来の血液を50%以上持ち、素びなが80日以上平飼い又は放飼いで飼育された鶏であると定義するのが正しい。


 この定義は、遺伝学的、品種論的には、「雑種」とほとんど変わらない定義である。このような日本農林規格の「地鶏」「在来鶏」の定義は、遺伝学的、品種論的見地からは学問の崩壊を招くものとして、大変好ましくない。そのため、日本農林規格などの商業的な意味で「地鶏」「在来鶏」と呼ばれるものに対しては、「特殊肉用鶏」という言葉を用いるのが好ましいと考える。

このタグの解説についてこの解説文は、すでに終了したサービス「はてなキーワード」内で有志のユーザーが作成・編集した内容に基づいています。その正確性や網羅性をはてなが保証するものではありません。問題のある記述を発見した場合には、お問い合わせフォームよりご連絡ください。