阿津川辰海のデビュー作。複雑すぎて難しい。 とはいえ、デビューというのは作家最大のハードル。出し惜しみして、デビュー出来ずに後悔するよりは、詰め込みすぎるくらい詰め込んだ方がいい。クリスティのミステリデビュー作の「スタイルズ荘」も詰め込み過ぎの傾向があるし。 名探偵が被告の法廷物。いや、法廷物とは言い難い。ともあれ、名探偵が被告だ。そして特殊設定物。最近のミステリーは特殊設定物が多いね。 この作品の特殊設定は死者が特定の条件の下で転生出来るというもの。それも仏教徒が考えるような転生ではなくて、異世界転生物の転生か転移に近い。そういう特殊な設定なら当然それはトリックに絡んでくると思うのがミステリ…