猿の見る夢 : 桐野夏生著のレビューです。 猿の見る夢 作者:桐野 夏生 発売日: 2016/08/09 メディア: 単行本 浅はかな男に「いつか天罰が下るぞ!」と、家政婦は見た気分での観察読書 これまでの桐野さんの作風とひと味違うファミリーものの小説です。愛人やら会社の秘書やらあちこちに浮ついた気持ちをまき散らしている主人公の男。 この男がかなり調子に乗っている状態からスタートする話に「いつか天罰が下るがいい」と、ちょっと意地悪目線での読書となる。 定年目前になにかと懲りない男・薄井。大手一流銀行出身の彼は、アパレル会社に出向し、会社を著しく成長させたという功績を持つ。常務のポジションも見え…