成瀬巳喜男監督が、『めし』(1951)、『稲妻』(1952)、『妻』(1953)、『晩菊』(1954)と立て続けに映画化を成功させた林芙美子の同名小説を『山の音』(1954)、『驟雨』(1956)などの作品で成瀬監督とタッグを組んだ脚本家水木洋子が脚色。 映画『浮雲』は、成瀬巳喜男監督の代表作であり、日本映画界屈指の一本として知られる。 (C)1955 東宝 戦時中の1943年、農林省の仕事で仏印で出会ったゆき子と富岡は恋に落ち、終戦後、別々に日本に帰国するが、妻と別れると言っていた富岡は約束を反故にしていた。 傷つきながらも富岡から離れられないゆき子。ふたりは、終戦後の混乱の中、ついたり離れ…