私、蒲池明弘の新刊『聖地の条件──神社のはじまりと日本列島10万年史』が8月20日、双葉社より刊行されます。今回のブログでは、本のほうには十分に書き込めなかった鉱物ネタを紹介します。 玉髄の石器、メノウの勾玉 前回、話題にした島根県のアマチュア考古学者、恩田清氏の収集物を再調査した報告書のタイトルは、 『出雲地方における玉髄・瑪瑙製石器の研究:恩田清氏採集資料と島根県出土の玉髄・瑪瑙製石器』(島根県教育委員会古代文化センター、二〇〇四年)です。 「玉髄・瑪瑙(メノウ)製石器」が意味するところは、玉髄の石器とメノウの石器ということではなく、玉髄とメノウの分類があいまいなので、このような表記になっ…