草原の制覇: 大モンゴルまで (岩波新書) 作者:崇志, 古松 岩波書店 Amazon 宋の徽宗皇帝は、一般的には風流人のイメージがある。水滸伝における徽宗は、芸術好きでプロレベルの画才をもつが、政治に無関心なため高俅や蔡京などの奸臣に朝廷を牛耳られる「被害者」のようなキャラクターになっている。ところが実際の徽宗には、意外と野心家の一面があったようだ。岩並新書の中国史シリーズ『草原の制覇』には、徽宗がチベットに向けて積極的な軍事作戦を展開していたことが記されている。 いったん旧法党が政権を握ると、それまでの新法政策を否定し、新しい版図の煕河路も放棄することとなった。しかし、その後哲宗が親政をは…