エルフリーデン王国が勇者召喚の儀を執り行ったのは、世界を救うためではない。人類側の大国グラン・ケイオス帝国から魔王領との戦いに要る支援金を求められ、その額をどうしても用意できなかったからだ。金が足りないなら人を出す。召喚陣の上に立たされた相馬一也は、旅立つ英雄というより、支払えなかった分を埋めるための一人だった。 ところがこの青年が知りたがったのは、魔王の居場所でも仲間の集め方でもなかった。国庫にいくら残っているのか。食料はどれだけ足りていないのか。人手はどこで欠けているのか。聞き取った数字を並べ直したうえで、一也は国王アルベルトに富国強兵の策を示す。 返ってきた答えが、この作品の出発点になる…