利己主義を助長し過ぎたと戦後民主主義を批判し、「私」より「公」を重視しなければならないという意見がある。 この場合、①戦後民主主義を批判しても、批判される主体が曖昧なので誰からも強い反論は出て来ない、②利己主義についても、身勝手な他人に対する批判として誰からも反論は出て来ない、③「公」の実態についての検証がなく、概念規定が曖昧なままである。権力のあり方についての批判を経て「公」のあり方も規定されるはずだが、「公」は無批判に「公」として位置付けられ現状追認になっている、④同様に「私」についての検証もない。そこから、「公」が「私」の集合社会として成立するという共通理解がなく、あらかじめ「公」の枠内…