球面収差

光学設計に登場する様々な枠組み, 近似手法を簡単にまとめました. 電磁光学, 物理光学 光を電磁波として扱う産業レベルでは最も(量子光学を除いて)厳密な理論です. 要はマクスウェル方程式ベースで光学を構築する分野ですが, 電磁場から物質と磁場の作用を無視したものを特に物理光学近似*1と呼ぶ文献もあります. 周波数数百THzぐらいの可視光の領域でよく使われる近似ですが, ただ最近は物理光学近似の枠にはまらないメタマテリアルやメタレンズなど高度な光学素子が登場していますので, 今後はより多くの電磁光学的知見が求められるようになるかも. 実際CADベンダーも最近はこの電磁波光学解析のできるソリューシ…

入笠湿原の夏と言うとサワギキョウで、 秋になるとエゾリンドウが群生するが 訪れたタイミングではサワギキョウはほぼ終わっており、 エゾリンドウのボリュームはもう一つ… いや木道を左に進めばかなりボリュームのある写真を撮れたかもしれないが、 まっすぐ帰ってしまった。 pixel7a 5.43mm SS1/1776.2 F1.89 ISO47 これだとしゃがんでローアングルで花に近づいて撮影すべきだったかもしれないが すでにその気力がない… 画面奥にピントが合っていて手前はピントが甘い。 肝心のエゾリンドウやサワギキョウが不明瞭である… これでは白樺と青空が主役だ… まぁ…スマートフォンに全幅の信頼…

さて、VSD90SSのレビュー第2回目です。 今回はフラット画像、および実際の星空を撮影してみて、どのような結果になるかを確認してみようと思います。あちこちですでに立派な結果が発表されているのでいまさらですが、普及価格帯の鏡筒との比較という面も含めて見ていただければ……。 比較対象の1つは同社のラインアップのうちで中堅に位置するED103S。焦点距離795mm（F7.7）のスタンダードな2枚玉屈折です。製品名に「ED」とついているものの、使われているのはEDレンズ（S-FPL51相当）ではなく、より高性能なSDレンズ（S-FPL53相当）です。決して写真用の鏡筒ではありませんが、弱点も少なくオ…

カメラを入れている棚を整理中に、最近つかっていなかったレンズをふと見つけた。 Tokina AT-X 270AF Pro 28-70mm f/2.8です。SONYのα900を購入したときにF2.8のレンズが欲しかったけど、資金が無く、中古で、2万円程度で売られていたレンズを買ったものです。 球面収差だと思いますが補正されず、残されており、解放では相当ふんわり描写になります。最新のレンズは、高度に収差が補正されているので、今となってはかなり懐かしい雰囲気になります。あまりの絵の緩さに、購入したときにはピントが何枚とっても合わないと思い壊れているのかと心配になりました。画像処理で、少しコントラスト…

適当な硝材を張り合わせて接合面の曲率半径を変化させると、ある変化量で球面収差や軸上色収差が極小値となります。極小値に対応する変化量は貼り合わせるガラスの屈折率差や分散の差で決まります。組み合わせを適当に選んだ場合、球面収差が極小となる変化量と色収差が極小になる変化量はてんでバラバラの値になります。しかし、硝材を適切に選べば球面収差と軸上色収差がうまいことに同じ変化量で極小値を迎え、両方の収差が良好に補正された光学系を1枚の接合レンズというごく単純な構成で実現できます。 SK16(nd=1.620,vd=60.3/SF1 (nd=1.717, vd=29.62) この組み合わせだと接合面の変形量…

青のラインが普通に1枚の焦点距離50mmの両凸レンズを使った場合、赤のラインが同一形状の2枚の両凸レンズで同じ焦点距離の光学系を構成した場合です。灰色のラインは3枚に増やした場合です。2枚に分割した場合個々のレンズは焦点距離100mmの度の弱いレンズになっています。度が弱くなるとレンズ面の曲率が弱くなり、その結果収差の発生を抑制できます。1枚レンズの場合球面収差は絞りF2の時-5.96mm残存しています。2枚に分割すると-3.28mmに軽減します。3枚に分割すると-2.64mmにまで減少します。1枚から2枚への分割と比べて2→3枚への分割はあまり効果がないことが分かります。 ところで、球面収差…

２枚接合レンズを用意します SK16とSF1にします。 SK16は低屈折ガラス（nd＝1.62)、SF1は高屈折率ガラス（nd=1.72）です。 両者には有意な屈折率差があるため、埋没光学面のケースと異なり、接合面では色収差の変動だけでなく単色収差の変動が生じます。この接合面を利用して球面収差の補正を行う試みです。 まずは接合面を平面にした初期状態で球面収差を出力してみます。 -上のグラフでは色収差は無視してd線波長の単色で評価しています。4.69mmの大きなマイナスの値で、非常に画質が悪い状態です。 ここから、接合面を動かさないようにしてレンズ全体の形状を変化させます。 変形量を+0.075…

1.屈折率がほぼ等しく分散のみが異なるガラスで接合レンズを形成する 2接合面の存在と色収差を無視して単色収差を補正した設計を得る。 3.接合面の曲率を調整して色収差を補正する。 この技法は、同じ屈折率・異なる分散のガラスの接合面は色収差にのみ影響を与え、他の単色収差に影響しない「埋没光学面」となることを利用した設計技法です。計算機が存在しなかった時代に「単色収差の補正設計と色収差の補正を分離」することによって設計作業を単純化するために編み出された技法です。 この技法に使えそうな硝種のペアを光学ガラスカタログから探します。 F2 1.6200 36.40 /SK16 1.6204 60.25 初…

紫陽花の季節だ。擬似STFモードを使って、こだいらあじさい祭りの紫陽花を撮りまくってきた。全例E-M5 mark 3のM.Zuiko 45mm F1.8で撮影した。

夕空にひろがっている紅の雲を仰ぎ見ると、 皆が一様に｢あー｣と、感歎の声を放った 冒頭は文豪・谷崎潤一郎の「細雪」。その中で、お気に入りだった平安神宮のヤエベニシダレを「紅の雲」と表現しています。 で、写真は、植物園のヤエベニシダレ（八重紅枝垂）。4／17の撮影です。 しなやかな枝先に咲く、濃いめのピンク色が優雅ですね。花びらは10～20枚と多く、ガクがツボ型にふくらんでいるのが特徴です。 ヤエベニシダレでも早咲きのタイプと遅咲きタイプがあるようです。水墨美術館ではソメイヨシノより早く咲いてました。 2枚目以降のレンズは、Nikon Ai AF DC-Nikkor 135mm F2D で開放 …

＊この記事には広告が含まれます。 どーーーーーーん！！ こんにちは、はっしーです。 出オチで申し訳ありません。 コンタクトレンズ、アクアロックスシリーズの新リーフレットが届きました！！ アクアロックスシリーズ コンタクトレンズメーカーのボシュロムさんの製品シリーズ(アクアロックスの特設ブランドサイトはコチラ)で1day/2weekそして遠近もラインナップしているボシュロム社が今一番推しているシリーズです。 素材にはシリコンハイドロゲルを採用し、主な特徴としては 16時間装用後でもうるおいの95％を保持：ハードなパソコン業務などが重なっても、レンズの乾きによるストレスを最小限に抑えます。 高い酸…

F値の論点を整理して置きます。出典は、英語版のWikipediaです。 まずは、絞りに関係する経験則を説明します。 晴れ16ルール(Sunny 16 rule) 写真における F 値の使用例は、晴れ 16 ルールです。 晴れた日には、f/16 の絞りとフィルムの ISO 速度の逆数に最も近いシャッター速度を使用すると、ほぼ正しい露出が得られます。 たとえば、ISO 200 フィルム、絞り f/16、シャッター速度1/200 秒を使用します。 f/8そしてそこにいてください（f/8 and be there） 「f/8そしてそこにいてください」は、最高のテクニックを使用することを心配しすぎるので…