著者:角田房子出版社:筑摩書房 石原莞爾の作品を読んだ流れでこれまた長期積読本の棚卸。 甘粕大尉といえば特に映画「ラストエンペラー」では坂本龍一が演じていたので 有名だが満州国を語るうえで外すことができない重要人物の一人でもある。 もともと印象としてはかなり謎が多く、どんな人物だったかと問われると 掴みどころが無く漠然としていたが、本書は非常に分かり易く 綿密な調査と丁寧な聞き取りの成果が存分に発揮されている。 関東大震災時に大杉栄を殺害、服役した後、 フランス留学、そして満州国で実力を如何なく発揮し 満映理事長の職に就くや文化面での国力の底上げを目指すなど まさしく国のために力を尽くしていた…