6 科学は主客分離による対象化の知 禅は主客未分の一体化の智 大拙氏は、禅の観方が、科学的、また西洋的な見方と「どのような相違があるのか」、とくに「生命」を捉える禅の智について、次のように述べています。 三 禅仏教における自己(セルフ)の概念 …科学者というものは、神学者、哲学者とても同じだが、何事も、ものごとを客観的に見たがる。そして主観的になることを嫌う。── この主観的ということの意味の詮索はまた別の話として ──。その理由はこうだ。科学者は一つの固定した考えにどこまでも拘泥しているからである。 その考え方とは、つまり何事を述べる場合でもそれが客観的に評価され確認されない限り真実であり得…