物理学者、中央大学教授。1961年6月21日東京都生まれ。1984年東京工業大学応用物理学科卒、1988年東京工業大学大学院理工学研究科物理学専攻博士後期課程修了、「規則格子,不規則格子およびフラクタル格子上の相転移」で理学博士。同年、東京工業大学理学部物理学科助手。1997年中央大学理工学部物理学科助教授、2006年教授。96年『砂時計の七不思議』で講談社出版文化賞受賞。専門はバイオインフォマティクス。
知能とはなにか ヒトとAIのあいだ (講談社現代新書) 作者:田口善弘 講談社 Amazon 『知能とはなにか -ヒトとAIのあいだ-』田口善弘著を読む。 機械学習に造詣の深い物理学者である著者が、AIはやがて人の知能を凌ぐようになるのか。本当に「シンギュラリティは起きるのか」など、関心の高いテーマについて述べている。まずは「知能」。これさえも、現時点で解明されていないと。知能と人工知能は似て非なるものだと述べている。また、いま、騒がれているチャットGPTなどの生成AIをヴァージョンアップしてもヒトの知能にはなり得ないと。 独断と偏見ではないが、かなり思い切った私見を述べており、現状がおぼろげ…
田口善弘氏の生命はデジタルでできているを読んだ。本書はゲノムを情報処理装置に見立て、解説をしたものだ。 セントラルドクマ セントラルドクマとは基本原理とか中心教義として日本語に訳され、その意味するところはDNA→RNA→タンパクという順に情報が伝達されることを意味している。そして、DNAはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種類から構成されており、これは全ての生命に共通である。DNAのうち生命の設計図の情報を保持している部分を特にゲノム(genome=gene(遺伝子) + -ome(総体)) と呼んでいる。ヒトゲノムプロジェクト(ヒトゲノムの配列読み取るプロジェク…