昨年名古屋で初演された刈馬カオスの『異邦人の庭』を、札幌劇場祭TGR2020参加作品としてOrgofA(オルオブエー)が上演。最終日11月29日の昼公演を観る。傑作の戯曲と、それにふさわしい名演であった。 上演時間60分のこの作品は、ある死刑囚と彼女を取材するために面会に訪れるひとりの男をえがいたふたり芝居。拘置所の面会室のアクリル板をへだてた「そちら」と「こちら」でかわされる緊張感あるやりとりで構成される秀作である。死刑囚に「みずからの死刑執行にたいする執行日選択権が与えられた時代」という近未来の設定のもと、死刑制度そのものや、ひとを裁くことができるのは誰か、ひとはひとを許すことができるのか…