松本大洋の作品はどれも好きで、ほとんどの作品を読んでいる。最近作の「東京ヒゴロ」も最高傑作と言っていいほどの作品だと思う。もっとも、あれもこれも最高傑作と呼べそうだから、ひとつを選ぶのは難しい。 「竹光侍」は松本大洋の初めての時代劇で、いろいろな意味で異色作である。おれの枕元には文庫本版が置いてあって、何かというと、ページを開いて少し読む。一話か二話かを読むと満足する。 竹光侍 (1) (小学館文庫 まC 16) 作者:松本 大洋,永福 一成 小学館 Amazon 主人公は目の吊り上がった浪人者で、剣の達人。金に困って父祖伝来の刀を売り、竹光を差している。無垢で優しく、特に長屋の子供たちとのや…