岩波文庫177ページ「圜悟(えんご)いはくの猴白(こうはく)と将謂(しょうい)する、さらに猴黒(こうこく)をさへざる「互換(ごかん)の投機(とうき)」、それ神出鬼没なり。これは玄沙と同条出すれども、玄沙に同条入せざる一路もあるべしといへども、火焔の諸仏なるか、諸仏を火焔とせるか。黒白互換(こくびゃくごかん)のこころ、玄沙の神鬼に出没すといへども、雪峰の声色、いまだ黒白の際にのこらず。しかもかくのごとくなりといへども、玄沙に道是(どうし)あり、道不是(どうふし)あり。雪峰に道拈(どうねん)あり、道放(どうほう)あることをしるべし。」 ※猴白、猴黒は、二人とも大泥棒。泥棒の腕前がとても優れていたと…