5⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 東京大学文学部国文学研究室の先生方が、日本文学とは何かに迫る。「共同性」をキーワードに上代文学から近現代文学までの作品を取り上げ読み解いていく。日本文学研究書の入門書としてだけではなく、一般の方にも読みやすく書かれていて優れている。古事記・日本書紀の歌謡、源氏物語、徒然草、方丈記、西行の和歌、井原西鶴の浮世草子、松尾芭蕉の俳諧、近代の志賀直哉の私小説など色々なテーマを扱っており、作品に対する深い洞察と、各章の背景にある日本文学の共同性の発見に至るまでの論説が充実していて面白い。最後に総合討論として先生方が全員集まり講義を振り返って、源氏物語の作者は紫式部一人として考えて…