マーク・ラッペ氏が書いた『皮膚 美と健康の最前線』(川口啓明・菊地昌子:訳、大月書店:1999年刊)という本をご紹介しています。今回は第5回目です。 ◆皮膚吸収 皮膚は、平坦なように見えても、微視的には非常に複雑な入り組んだ構造をしています。 毛穴や汗腺の穴、細孔とよばれるさらに小さい穴がいたるところにあり、特に脂質に溶けやすいものはこれらの開口部から皮膚に容易に侵入して吸収されます。これを皮膚吸収といいます。 西洋医学では、1960年代の後半になるまでは、皮膚は化学物質を吸収しないと考えられていたそうで、このため、子どもと高齢者の多くに治療用の殺菌剤や殺虫剤による中毒がみられたそうです。 ま…