1月下旬のある日、毎朝聞いているTBSラジオ「森本毅郎スタンバイ」で、目黒孝二さんの訃報が流れた。「あの目黒孝二さんが亡くなったのか~」と感慨にふけった。1月19日、肺がんで逝去されたという。76才だった。 (以下敬称略) 私が目黒孝二を知ったのは椎名誠の本で、そこには椎名の数ある仲間の一人で、本が好きで好きでたまらない男として描かれていた。 目黒は、明治大学を卒業後就職するが、「毎日通勤していたら、本が読めなくなる」という理由で三日で退社する。その後も就職しては三日で退社することを繰り返した。その内の一社で目黒は椎名と知り合い、後に椎名とともに1976年に書評をメインとした「本の雑誌」を立ち…