私は琴を弾き、古代調の和歌を調べに乗せておろしていますが、 折に触れて、私自身の見解を書いていきたいと思っています。 かつて私は、古代国文学で学位をおさめて、長く宮廷文化と史書編纂の現場につとめていましたが、 傍ら、能楽を媒体に舞や楽を習い、一時は短歌同人に属して創作し、奈良に惹かれて機会あれば三輪山や龍田山・吉野山や春日山、飛鳥の地を踏査してきました。 そんな中で、漠然と自分の内側に響いてくるものについて、正式な研究にはならないながら、自分なりに探究してきましたが、 琴を弾きながら旅するようになってから、改めて、文字文化以前・以後について再認識し、その境目となるのが、いわゆる仏教伝来と、大化…