無負荷で電圧を誘起している同期発電機の端子を三相短絡させたとき,短絡初期に大きな短絡電流が流れ,時間の経過とともに次第に減少して持続する短絡電流になる。 初期の短絡電流の大きさは,回転子回路に制動作用を生じるものがない場合は直軸過渡リアクタンス $X_d^{'}$ に支配されるが,制動作用を生じるものがある場合は直軸初期過渡リアクタンス $X_d^{''}$ によって支配される。 同期リアクタンスを直軸同期リアクタンス $X_d$ と横軸同期リアクタンス $X_q$ と分けて取り扱う場合,円筒形同期発電機のときには飽和の影響を無視すると $X_d$ と $X_q$ との大きさの関係は,$X_d…