火力発電所や原子力発電所の発電機と主変圧器との間の電路*1には相分離母線(Isolated Phase Bus : IPB)が使用されている。 相分離母線は,各相の導体を接地した金属製外被で閉鎖して,各相を分離した構造の母線である。 図 相分離母線の構造 外被材料として軽量で導電率の高い材料を使用する。 三つの相の外被を両端で相互に短絡することで,各外被には導体電流によって生じる磁束により電流が誘導される。 外被の誘導電流は導体電流と逆方向の電流となり,外部への漏れ磁束を少なくすることができる。 これにより,外部の鉄構造物に発生する渦電流による誘導加熱を抑制するとともに,短絡時に各相導体間に働…