「岩宿の発見」・・・五十年前の文庫本 ▲ベッドに横になると本を手にする。以前は夢中になって睡眠不足という事態も引き起こしたが、さすがに今は、短時間で睡魔の前に玉砕する。おおかたは購入したてを読むのだが、時には、「もう一度読んでみませんか」と書棚からすり寄ってくる本がある。▲たとえば遠藤周作の「沈黙」とか夏目漱石の「三四郎」、司馬遼太郎本、山崎豊子本とか、ちょっと「らしくない」ものでは「ハッブル望遠鏡の世界」や福岡伸一ハカセの「生物と無生物の間」などには、何度も声をかけられた。▲四月になって熊日に連載が始まった村上恭通氏の「鉄の歴史を追い求めて」を読むうちに、一冊の本が脳裏に浮かんだ。相沢忠洋氏…