看護師がエンゼルケアを行う上で重要なのは、もし本人だったらどう保清するかという視点を持つことだ。 看護とは、患者のセルフケアを助けることが基本的な役割だ。そのため、死後といっても本人がするであろうことに沿ってエンゼルケアを行う必要がある。例えば簡易シャンプー後の髪形だが、病院内での姿を再現するのではなく、分け目や前髪の下ろし方、整髪料で整えていた方法などを家族から聞き取り、本人の本来の姿に近い方法で整えることが望ましい。血色を保つエンゼルメイクの場合も、家族が知る普段の顔色にできる限り寄せることが大切だ。決して看護師の思い込みや決めつけで行ってはならない。また、保清は死後硬直が始まる3時間~6…