古本屋の「よりどり一冊100円」のワゴンで探した本。計2冊、200円の投資にしてはずいぶんトクした感のある名作です。旧人類にとっては、今どきの芥川賞作品なんかより十倍はネウチがあります。以下、名作三編をご紹介。 ■武者小路実篤「お目出たき人」 冒頭「自分は女に飢えていた」なんて文がでてきて、ムシャコウジさんにして、なんとはしたないことをとドッキリするのであります。ええしのぼんぼんが近所の女学生に片思いをし、実際は一度も口をきいたこともないのに、勝手に妻になるはず、なるべきだと思いこみ、しかし、彼女は別の男と結婚してしまい、主人公はよよと泣き崩れる・・・。そんな駄目な男を自虐的に「お目出たき人」…