後編。本書の目次は以下の通り。 はじめに序章 「生命」を問い直す第1章 胎児や脳死者は人と呼べるのかーー生命倫理のリミット第2章 「生まれない方がよかった」という思想ーーロングフル・ライフ訴訟をめぐって第3章 私という存在をめぐる不安第4章 「生命」から「新しい人」の方へあとがき 今回は、第3章・第4章を取り扱う。 ※前回と前々回は、かなりの長文になってしまったので、今回はできるだけコンパクトになるよう努めます。 第3章 私という存在をめぐる不安 1 存在の「意味」をめぐる不安「生まれない方がよかった」という表現は、論理的には破綻しているが、その表現が選ばれるということには注意する必要があろう…