個人的利益に基礎をおく「市民法」に対して、社会の公共的利益を優先する立場から修正する法の総称。労働法・経済法・社会福祉に関する法など。
以前に他垢ブログで書いた映画評「「山守親分」観の変化」や、以前書いた「なぜ日本人は「いい人・やさしさ」「美談化」に逃げるのか？」の、補完的な内容となる。 自分の狙いは、(現代学校教育への系譜へも連なる)「道徳」と、「儒教・儒学」が、どのように日本社会や人々のものの考え方を支配しているかを抉り出したうえで排除し、近代的な(無論正確な法知識に根差した)法感覚・法意識へと植え替えるところにある。 （正確には、「仏教」的思想も支配的影響力を持ってきた（日本では「神道」も）が、ここでは便宜上、「道徳」を「儒教・儒学」との関係で整理することとする） 最近、ある動画の講義で、「日本人て『道義的責任』が好きで…
最近、ネットの記事でよく見かけるようになったのが、「日本の労働者は、世界でも際立って仕事へのエンゲージメントが低い」というものだ。 まあそうだろうな、と思いつつ失笑している。 片方で、少し前から「パーパス経営」と「パーパス(目的)」を重視するという経営論のトレンドも生じていて、それ自体は好ましい流れではある。 自分たちの会社の、業務の「パーパス(目的)」を問い返すところに判断基準を立ち戻しているからだ。 昔、Twitterをやっていた時代に、「日本の会社員労働者は単なる奴隷だ」という趣旨のツイートをしたら反発するコメントが来たのが印象に残っている。 「奴隷呼ばわり」が、不快感を与えるものなのは…
ドイツ労使関係における共同決定の歴史について、女性に焦点を当てた本を知りました。フーゴ・ズィンツハイマー労働・社会法研究所のシリーズの一冊でして、以下にリンクを貼っておきます。オープンアクセスになっています。 Uwe Fuhrmann, Frauen in der Geschichte der Mitbestimmung, Frankfurt am Main 2024. 書誌情報によれば、2024年に刊行とのことですが、オンライン上では2023年12月にすでに公開されていました。 112頁からなるコンパクトな本で、このテーマを知るのにとても役立つそうです。
第533回社会法研究会のご案内 拝啓 年の瀬を迎え，皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。さて，第533回社会法研究会の開催につきまして下記の通りご案内いたします。ご参加のほどよろしくお願い申し上げます。 敬具 記1．日時2024（令和6）年1月6日（土）13:30より 2．会場（1）九州大学西新プラザ多目的室（2）オンライン3．報告 (1)山田晋（広島修道大学） 「健康保険法にいう使用関係の判断基準と被保険者資格 （名古屋地判昭和60・9・4行集14巻9号1684頁）」 (2)廣田久美子（福岡県立大学） 「被保険者資格取得確認の基準日（最二小判昭和40・6・18判時4…
前々から気にかかっていた、日本の労働組合(法)・労働運動史に取り組むことにした。 無論、「リアルの政治・社会・法(構造)の課題に正面から」取り組むためだ。 「北欧厨」と切り捨てる表現をしたのは、意図がはっきりとあるからだ。 社会学界隈では、もう20年ほど「北欧モデル」への憧憬を示すトレンドが明確にあるし、また実践ベースでも、そうした取り組みを「輸入」している人々も少なからずいる（筆者の直接の知人にもいる。社会起業や農業等、北欧のみでないが「オルタナ」的ニュアンスを取り込んでいる人々が見られる）。 こうした取り組みには、日本人・日本社会のライフスタイルや人々の思考法転換という点では重要な意義を認…
#metoo運動の着火点となった、ハーヴェイ・ワインスタイン事件をめぐる、ニューヨーク・タイムズ記者と女性たちの苦闘の物語。 見ている最中は、観ているこちらもグルグルと色々な苦悩が内面に駆け巡っていたが、バシッと霧が晴れた瞬間が見えた。 自分自身に果たせる固有の役割というものが見えた瞬間があったのだ。 それについては最後に改めて述べる。 見ている最中にどんな苦悶が駆け巡ったかを、整理しよう。 ・#metoo運動当時の自分の回想 かつての職場(おっさんたちが支配していた)のハラスメント環境を再認識し、ツイートして、少し気持ちが晴れた記憶がある（必要なら、別の機会にいずれ詳説するかもしれない）。 …
第532回社会法研究会のご案内 拝啓 灯火親しむ秋となりました。皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。さて，第532回社会法研究会の開催につきまして下記の通りご案内いたします。ご参加のほどよろしくお願い申し上げます。 敬具 記1．日時2023（令和5）年12月2日（土）13:30より 2．会場（1）九州大学西新プラザ多目的室（2）オンライン 3．報告 (1)野田進（九州大学名誉教授） 「明治学園ほか１法人事件・令和5年9月19日 福岡地方裁判所小倉支部判決LEX-DB２５５９６１０４」 （私立学校の高校教師の同一法人別学校への転勤命令を無効とし、 転勤前の学校で勤務する…
第531回社会法研究会のご案内 拝啓 灯火親しむ秋となりました。皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。さて，第531回社会法研究会の開催につきまして下記の通りご案内いたします。ご参加のほどよろしくお願い申し上げます。 敬具 記1．日時2023（令和5）年11月4日（土）13:30より2．会場（1）九州大学西新プラザ多目的室（2）オンライン3．報告（1）菊池章博（西南学院大学大学院） 「イギリス賃金審議会法における『社会的賃金』の試みと挫折」（2）鶴崎新一郎（九州大学協力研究員） 判例研究：学校法人羽衣学園（羽衣国際大学）事件 大阪高判令和5年1月18日労判1285号18…
第530回社会法研究会のご案内 拝啓 秋涼の候，皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。さて，第530回社会法研究会の開催につきまして下記の通りご案内いたします。 ご参加のほどよろしくお願い申し上げます。 敬具 記1．日時 2023年10月7日（土）13:30より 2．会場（●オンラインのみで行います） 3 報告（1）小山敬晴（大分大学） 「日本にはなぜストライキがないのか～その現状と課題（仮）」（2）渋田美羽（弘前大学） 「フランスにおけるストライキの個人的特質と 公役務におけるその特徴」(仮) 以上 【報告を希望される場合】事務局までお気軽にお申し付けください。自薦は…
ゴリラという動物がいる。 しりとりで高確率で二番目に来る、アイツだ。 リンゴから始めた場合、100人中95人はゴリラと答えるだろう。捻くれた奴はゴマやゴルフと続け、勘違いした野郎は五目ラーメンで強制終了を狙って場を白けさせる。 直接目にする機会はそれ程多いとは言えないが、動物の中ではかなりメジャーな奴だ。何か動物を挙げてと質問すれば、比較的上位に来るだろう。 類人猿だとか、ヒト科だとか、ゴリラとサルは違うとか、apeとmonkeyの違いだとか、そういう生物学的な難しいお話はどうでもいい。専門外だ。 私は以前から気になっていたことがある。このゴリラ、何故か笑いのネタになることが多い。 極端な場合…
第529回社会法研究会のご案内 拝啓 立秋の候，皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。さて，第529回社会法研究会の開催につきまして下記の通りご案内いたします。 ご参加のほどよろしくお願い申し上げます。 敬具 記 1．日時 2023年9月2日（土）13:30より 2．会場（対面・オンライン併用にて行います） (1)九州大学西新プラザ中会議室 福岡市早良区西新2-16-23 http://nishijinplaza.kyushu-u.ac.jp/access.html ※PC等を準備します。ご出席の方はPCを持参して頂かなくとも結構です。 (2)オンライン 3 報告（1）…
第528回社会法研究会のご案内 拝啓 梅雨明けの暑さひとしおでございます。皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。 さて，第528回社会法研究会の開催につきまして下記の通りご案内いたします。 ご参加のほどよろしくお願い申し上げます。 敬具 記 1．日時 2023年8月5日（土）13:30 2．会場（対面・オンライン併用にて行います） (1) 久留米大学福岡サテライト 〒810－0001 福岡県福岡市中央区天神1-4-2エルガーラオフィス６階 地下鉄七隈線天神南駅 徒歩2分 / 西鉄福岡(天神)駅 徒歩4分 / 地下鉄空港線天神駅 徒歩6分 (2)オンライン 3 報告 〇「…
晴れた朝。 僅かに残る葉上の雫は、朝露か？ 幻か下土に湿り気は無し。蜃気楼と言う言葉を思い出した。 名詞か、北国で過ごした初夏は荒れた浜辺の海に徐々に明るさを見るが何処からか流れ着いたプラスチック見慣れない異形の容器にハングルが踊る。何の容器だろう?触る気も無い。テトラポッドの隙間、潮溜りに重なり行く容器類と飲料水空缶。空缶は日本語でスチールとアルミが混在。近場で捨てられた物もあるのだろう。波の打ち付ける音は未だ重く地響きを立てる日本海。その海で蜃気楼をよく聞いた。沖合対岸は遠く見えないが時折東の山脈が反射したような土地が見える。大きな山は無い北西の空に山、陸地、小さな港町は何度か訪れ城跡が高…
12時半起床。トースト二枚とコーヒーの食事。きのうづけの記事の続きを書いて投稿し、ウェブ各所を巡回し、2022年6月28日づけの記事の読み返し。以下、ひとつめの引用は2021年6月28日づけの記事、ふたつめの引用は2022年6月28日づけの記事より。 読み返しは2020年6月28日づけの記事。片岡一竹『疾風怒濤精神分析入門』の「ここまで定義せずに使っていた「享楽」という語は、実はこの欲動の満足を指します（ただし、これはフロイトではなくラカン独自の用語です）。人間の根源的な目標が欲動の満足で、欲動の満足が享楽だとすれば、「人間の最終目的とは享楽を得ることである」と言えるでしょう。この目的は、言語…
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